ナ・オ・シ・ウィ【いや、やっぱり聞いたことの無い声だ。】

いや、やっぱり聞いたことの無い声だ。

誰の声だったかしら。
我輩は脳内のＨＤＤをフル回転させた。が、どこにも彼女に関する記憶は無い。
「ライブラのお兄さん？なにをぼーっとしてるのぅ」
名前を呼ばれ、ふと我に返った。視界を覆っている粉雪を払い落とす。

クリアになった視界の先には、ちんちくりんな女の子が立っていた。
姿を見ても思い出せないということは、おそらく初めて会うのだろう。

本来ならこのあと女の子に関する描写や二人のやりとりがあったのだが展開を急げと天の声がしたのだ。

結論から言えば、この先はＢＡＤ　ＥＮＤまで一本道であり、きっとあの時違う選択肢を選んでいたら違う結末にたどり着けたんじゃないかなァという、ゲーム的なアドバイスが表示されるわけだ。

あとで書き直すから…、だからお願い、今は…、これで許し、て………。

―終―